介護

このようなお悩みは
ありませんか?

  • 「施設で転倒した利用者から損害賠償請求を受けている」
  • 「施設利用契約書について法的チェックをしてほしい」
  • 「施設内で高齢者虐待の疑いがある」
  • 「職員との労働問題が発生した」
  • 「利用者の家族との対応で困っている」

介護法務

要介護高齢者は、身体機能や免疫力、認知機能が低下した状態で生活しており、そのため転倒や誤嚥、感染症などのリスクを伴っています。
要介護高齢者が暮らす介護施設(特別養護老人ホーム、有料老人ホームなど)においては、様々な法的トラブルが発生する可能性があります。これらのトラブルには、介護事故、施設の管理責任、契約問題、労務管理、個人情報保護など多岐にわたる課題が含まれます。
当法律事務所では、介護に関わる方々が安心して業務を行えるよう、法的アドバイスと支援を提供いたします。

介護事故

転倒・転落

施設利用者の転倒や転落は、介護事故の中で最も発生しやすい事故類型です。
転倒事故は、自力での歩行や移動中、車いすへの移乗時、いす・車いすからの立ち上がり時などに発生します。
転落事故は、ベッドでの就寝時や離床時などに発生します。
転倒事故や転落事故が発生すると、利用者はすり傷、骨折などのケガを負う可能性があります。 転倒・転落事故の防止に関して介護施設に注意義務違反が認められた場合、施設は事故に起因する治療費や慰謝料などについて損害賠償責任を負うことになります。

注意義務違反の判断にあたっては、利用者の転倒・転落リスクの有無や程度をふまえて、介護施設はどのような転倒・転落防止措置をとるべきであったかが問題となります。 もし転倒・転落事故が発生した場合には、事故の発生経緯や事故当時の利用者の状況などの事実関係について、正確に調査することが重要です。

誤嚥

高齢者は加齢に伴い嚥下機能(えんげきのう。食べ物を口から胃へ安全に飲み込む能力)が低下します。
また、介護施設の入所者の中には認知症が進行している方もいるため、介護施設では誤嚥(ごえん)事故のリスクが高くなっています。 誤嚥が発生した場合、短時間で適切な処置がなされないと、窒息による死亡や重度の後遺障害につながる可能性が高いため、特に注意が必要です。

誤嚥事故に関して介護施設の法的責任が問題となる場面としては、①食事の提供方法、②食事の際の見守り、③誤嚥後の対応があります。
①食事の提供方法については、利用者の嚥下障害や認知症の有無・程度を踏まえて、食材の大きさや調理法は適切であったかが問題となります。
②食事の際の見守りについては、誤嚥を意識した注意喚起や、定期的な様子確認、または近くでの見守りが適切になされていたかが問題となります。
③誤嚥後の対応については、異変に気づくタイミングや救急車を呼ぶタイミングは遅れていなかったか、異物の除去・吸引の措置は適切であったかが問題となります。
誤嚥が発生した場合に備えて、対応マニュアルを作成するとともに、職員研修を行うことが望まれます。

褥瘡

介護施設には、自力で体位変換ができない利用者が多く、そのため褥瘡(じょくそう。床ずれ)のリスクが高くなっています。褥瘡は皮膚の損傷によって生じ、放置すると感染症や他の病気を引き起こす危険性があります。

介護施設において、職員は入所者の健康状態を把握し、褥瘡が発生しないよう予防する注意義務があります。
介護施設が褥瘡発生防止の注意義務を果たしていたかの判断にあたっては、定期的な体位変換や、体圧分散器具の使用、皮膚の観察、および適切な医療機関への受診がなされていたかなどが問題となります。そのため、体位変換の実施状況等については、普段から介護記録にしっかりと残すことが大切です。

高齢者虐待

高齢者虐待とは、介護職員や家族などの養護者による虐待行為によって、高齢者の権利が侵害されることを指します。
身体的虐待(身体に対する暴力や傷害を伴う行為)、心理的虐待(暴言や無視などにより精神的苦痛を与える行為)、性的虐待(わいせつな行為や性的強要)、介護・世話の放棄(ネグレクト)、経済的虐待(資産や収入を奪う行為)の5種類があります。

高齢者虐待防止法では、施設職員は、他の職員によって高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した際には、速やかに市町村に通報しなければならないと定めています。
職員による利用者への虐待の疑いが生じた場合、介護施設には、利用者の身の安全を守るため迅速かつ適切な措置を講じる責任があります。その一環として、施設内での詳細な調査も実施すべきです。 調査を適正に行い、行政・利用者からの信頼性を担保するためには、調査委員会を設置し、専門知識のある第三者委員(弁護士、社会福祉士など)にも参加してもらうことが望ましいと考えられています。

クレーム・トラブル

介護施設において、利用者やその家族からのクレームはしばしば発生します。
施設側が誠実に対応することで問題が解決することもありますが、時には理不尽な要求や不可能な要求が寄せられることもあります。
利用者・家族という立場を利用して理不尽な要求や悪質なクレームを行う行為を、介護現場におけるカスタマーハラスメントと言います。カスタマーハラスメントは職員の精神的・身体的健康を損ね、円滑な施設運営の妨げとなります。
場当たり的な対応をしたり、対応の内容を適切に記録に残さないと、初期のクレームを大きな問題に発展させる原因となってしまいます。

クレーム対応にあたっては、弁護士に相談することで、事実関係を整理し、法的な観点から適切な対応策を選択することが可能となります。事案によっては、法律事務所が相手方との交渉窓口となることで、施設側は長時間の電話や面談に応じる負担を軽減することができます。

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