遺言書(公正証書遺言)
遺言書を作成しておくことで、相続人同士のトラブルを防ぎやすくなります。特に、相続人の関係性や財産の内容によっては、遺言書があるかどうかで、相続開始後の話し合いや手続きの進み方が大きく変わることがあります。
遺言書が必要となるケース
次のようなケースでは、遺言書の作成を検討した方がよい場合があります。
お子さんのいないご夫婦
お子さんのいないご夫婦で、親などの直系尊属がおらず、兄弟姉妹がいる場合、遺言書がなければ配偶者だけでなく兄弟姉妹も相続人になります。 配偶者に財産を多く残したい場合は、遺言書の作成をご検討ください。
再婚されており、前婚のお子さんがいる方
現在の配偶者と前婚のお子さんがともに相続人になるため、遺言書がないと、相続の際に話し合いが難しくなることがあります。
特定の相続人に多く財産を残したい方
遺言書がない場合は、相続人全員で遺産の分け方を話し合うことになります。 希望する財産の分け方をあらかじめ定めておくためには、遺言書の作成が必要です。
内縁の配偶者やお世話になった方に財産を残したい方
内縁の配偶者など法定相続人ではない方に財産を残したい場合は、遺言書を作成しておく必要があります。
相続人同士の仲が良くない、または疎遠な相続人がいる方
遺言書がない場合、相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。関係が良くない場合や連絡が取りにくい相続人がいる場合には、協議が難航しがちです。 このような事情がある場合、遺言書を作成しておくことで、相続開始後の話し合いの負担やトラブルを軽減しやすくなります。
遺言書の種類
遺言書にはいくつか種類がありますが、一般的によく利用されるのは自筆証書遺言と公正証書遺言です。
自筆証書遺言は、原則として遺言者自身が手書きして作成する遺言書です。費用をかけずに作成できる反面、法律で定められた形式に不備があると無効になるリスクがあります。また、自宅で保管している場合は紛失や改ざんのおそれもあります。
一方、公正証書遺言は、公証人が作成に関与し、作成された遺言が適切に保存されるため、紛失や改ざんのおそれがありません。
公正証書遺言をおすすめする理由
形式上の不備で無効になるリスクがない
公証人が法律に従って作成するため、形式の誤りで遺言が無効になる心配がありません。
紛失や改ざんのおそれがない
作成された遺言は適切に保存されるため、紛失や改ざんのおそれがありません。手元の遺言書が見つからない場合でも、公証役場で確認・取得することができます。
家庭裁判所の検認が不要
自筆証書遺言は、法務局の保管制度を利用していない場合、発見後に家庭裁判所での検認手続きが必要です。公正証書遺言にはその手続きが不要なため、相続手続きをスムーズに進めることができます。
遺言書作成の流れ
公正証書遺言を作成する場合、おおむね次の流れで進みます。
- 弁護士への相談・遺言内容の検討
残したい財産の内容や、誰にどのように渡したいかを整理します。 - 遺言書の原案作成
弁護士が相談内容をもとに、遺言書の原案を作成します。 - 公証人との打ち合わせ・準備
公証人との日程調整や必要書類の準備を行います。 - 公正証書遺言の作成
公証人が、遺言者と証人2名以上の前で遺言内容を読み上げるなどして、内容を確認したうえで公正証書遺言を作成します。
弁護士に依頼するメリット
家族構成や財産内容に応じた内容にできる
家族構成や財産の種類によって、遺言書に盛り込むべき内容は異なります。弁護士が事情を整理したうえで、意向が反映される遺言書の内容を検討します。
遺留分など将来のトラブルを考慮できる
特定の相続人に多く財産を残す内容にした場合、他の相続人の最低限の取り分である遺留分をめぐって、相続開始後にトラブルになることがあります。弁護士に相談することで、こうしたリスクを踏まえた内容を検討できます。
内容の漏れや法的な問題を防げる
遺言書の書き方を誤ると、意図どおりに効力が生じないことがあります。弁護士が内容を確認することで、こうしたリスクを防ぐことができます。
相続・遺言全体については、以下のページもあわせてご覧ください。