相続・遺言
このようなお悩みは
ありませんか?
- 「遺産の分け方で親族同士がもめて、話し合いが進まない」
- 「遺言書に長男にすべて相続させるとあったが、納得できない」
- 「多額の借金が残されていたので、相続放棄をしたい」
- 「相続人同士で争わないよう、遺言書を作成しておきたい」
- 「認知症などで判断能力が低下する前に、財産の管理を親族に任せたい」
遺産分割
遺言書が残されていない場合、誰がどれくらいの割合で、どの相続財産を受け取るかを相続人全員で話し合いますが、もめてしまうケースも少なくありません。
とくに、多額の生前贈与を受けていた相続人がいたり、亡くなった人の介護をしていた人がいた場合、利害が対立して解決が難しくなります。
遺産の中に、預貯金だけでなく価値の高い不動産があったり、逆に維持費ばかりかかるような不動産が含まれている場合なども、話し合いがまとまりにくいケースです。
第三者である弁護士が間に入ることで、法的な視点をもとに、話し合いをスムーズに進めることが可能になります。
法定相続分
法定相続分とは、法律で定められた相続割合です。
法定相続分は、以下の例のように相続人と亡くなった人との続柄によって決まります。ただし、相続人全員が合意すれば、必ずしも法定相続分どおりに遺産を分ける必要はありません。
- 配偶者1/2と子1/2(子が複数の場合は子の間で人数割り)
- 配偶者2/3と父母1/3(子・孫がいない場合)
- 配偶者3/4と兄弟姉妹1/4(子・孫・父母がいない場合)
特別受益
特別受益とは、一部の相続人だけが受けた生前贈与などの特別な利益のことをいいます。
相続人が複数人いる場合、相続人間の不公平をなくすために、利益を受けた相続人の遺産の取り分を特別受益分だけ減らし、公平に相続財産を分けるための制度です。
特別受益については、相続財産を先にもらったものと評価して、相続分を計算します。
寄与分
寄与分とは、亡くなった人の財産の維持や増加に貢献した相続人がいる場合に、他の相続人よりも相続財産を多く分けてもらうことができる制度のことをいいます。
単に亡くなった人の世話をしただけでなく、財産の維持や増加に貢献したと認められる必要があります。
亡くなった人に金銭的援助をしていたり、一定期間以上、継続して亡くなった人の家業を無給で手伝っていたり、親族間の通常の扶養義務の範囲を超える介護をしてきた人がいる場合には、貢献した人には寄与分を認めて、相続分を増やすことで公平をはかります。
特別寄与料
特別寄与料とは、亡くなった人に対して、介護などの労務を無償で提供していた親族(相続人以外)が、寄与の程度に応じてもらえるお金のことをいいます。
法定相続人ではない親族が、亡くなった人を療養看護するなどして、亡くなった人の財産の維持や増加に貢献していた場合に認められます。
遺言(公正証書遺言)
遺言書を作成しておくことで、亡くなった後の相続人同士の争いを防ぐことができます。
遺言書はご自分で作ることもできますが(自筆証書遺言)、法律で定められた形式に誤りがあると無効になってしまいます。
弁護士に依頼して、形式や内容に不備のない遺言書を作成されたほうがよいでしょう。
そのうえで、公証人役場で保管されるために紛失や改ざんのおそれがない「公正証書遺言」にすることをおすすめします。
遺留分
遺留分とは、一定の相続人(兄弟姉妹以外の法定相続人)に認められている最低限の相続分のことで、それを請求するのが遺留分侵害額請求です。
遺言書では遺産の取り分がまったく無かったり、極めて少額である場合には、遺留分侵害額請求をすることができます。
遺留分侵害額請求は、相続開始を知った日から1年以内に行う必要があります。
話し合いで解決できない場合は、家庭裁判所に調停を申し立て、それでも合意できないときは訴訟を起こします。遺留分の侵害を立証できれば、裁判所が相手方に遺留分侵害額の支払い命令を下します。
遺留分の計算方法は複雑なため、専門的な知識が必要になります。
相続放棄
遺産相続では、預貯金や不動産などのプラスの財産だけではなく、借金などのマイナスの財産も相続の対象になります。
プラスの財産よりマイナスの財産が多い場合などには、相続放棄をすることによって、借金を返す必要がなくなります。ただし、相続放棄をするとプラスの財産も相続できません。
相続放棄の手続きは、相続の開始を知った日から3ヶ月以内に、家庭裁判所に申立てを行います。この期限を過ぎてしまうと、多額の負債を背負うことになりかねないので、できるだけ早期にご相談ください。
相続税対策
節税の方法としては大きく、「生前贈与等により相続財産を減らす」と「相続財産の評価を下げる」の2つがあります。
生前贈与は、年間で110万円の基礎控除額が認められています。
また、小規模宅地等の特例を利用すれば、相続した土地の評価額が最大80%減額となり、相続税の負担を大幅に減らすことができます。
配偶者については、配偶者の税額軽減制度があります。
相続税対策には様々な手法があり、早期の対策で大きく節税できる可能性がありますので、ご相談ください。
民事信託
民事信託とは、ご本人が元気なうちに、自分の老後や介護時に備えて、保有する預貯金や不動産などを家族などの信頼できる人に託し、管理・処分を任せる財産管理の方法のことをいいます。管理などを家族に任せる場合は、家族信託と呼びます。
遺言書で指定できるのは次世代の一次相続までですが、民事信託の場合はその先の二次相続まで指定することができます。
民事信託では柔軟な財産管理が行え、財産の有効活用や将来の相続対策が可能になります。
ご自分の希望に沿った内容の民事信託の契約書作成のためには、弁護士への依頼をおすすめします。
ご持参いただきたい資料
- 相続関係図(手書きの簡単なものでかまいません)
- 相続財産がわかる資料
不動産登記、固定資産評価証明書または土地・家屋名寄帳、
預貯金通帳、株券、生命保険証書、車検証等 - 亡くなった方や相続人の戸籍・住民票(取得済みであればお持ちください)
- 遺言書(作成されていればお持ちください)
- 交渉経過の資料(相手方との交渉をすでに行っている場合はお持ちください)
よくあるご質問
どのようなものが相続できる財産となりますか?
相続できる財産は、不動産、預貯金、自動車、借地権や借家権などの権利、売主や買主としての地位などの権利義務、そして借金などの債務も対象となります。
相続手続きでは、どういった戸籍が必要ですか?
亡くなった方の出生から死亡までの戸籍、各相続人が亡くなった方の相続人であることを示す戸籍が必要です。
結婚の時などに本籍を移している場合には、本籍のあるそれぞれの市町村役場から取り寄せる必要があります。
そのため、必要な戸籍をすべて取得するには手間がかかりますが、法律事務所に依頼すれば、戸籍の取寄せ業務も任せることができます。
親の面倒を全く見ていなかった兄弟とも平等に遺産分けをしないといけないのですか?
遺言書がない場合、法定相続分に従って遺産分割をするのが原則になります。
もっとも、亡くなった親の家業を無給で手伝っていたり、療養介護を献身的に続けていたなど「特別な寄与」をした場合、寄与分として財産を多く分けてもらえます。
親族間での通常の扶養義務の範囲を超える「特別な寄与」である必要があり、法的な主張とそれを裏付ける資料の収集が必要になります。
夫の生命保険は、受取人が妻と指定されていますが、相続の対象になりますか?
保険金の受取人が指定されている場合、死亡保険金は相続財産に含まれず、遺産分割協議の対象外となります。
受取人指定のある死亡保険金は、亡くなった人の財産ではなく、受取人の固有財産とされるためです。
ただし、保険金が高額な場合、他の法定相続人との不公平を無くすために、死亡保険金が特別受益として扱われる可能性があります。
また、死亡保険金は、みなし相続財産として相続税の課税はなされます。
養子になっても、実の親の遺産を相続できますか?
普通養子(実親との親子関係を解消せず、養親とも親子関係を生じさせる制度)の場合は、実の親の遺産を相続することができます。
しかし、特別養子(実親との法的な親子関係を解消し、養親との親子関係を結ぶ制度)の場合は、実の親の遺産を相続することはできません。